ピストンは圧縮比が低めで耐久性があるとされるエボ2のものを使用。
エボ6の物も利用可能だが、フルフロー加工やオイルジェットの交換が必要だ
そうです。
ピストンは全部換えるので、1台分用意した。コンロッドメタルも念のため交換
した。
また、分解した際にガスケットやパッキンの類も交換する必要がある。
用意した部品は次のとおり。
- ピストン
- ピストンリング
- オイルリング
- ピストンピン
- コンロッドメタル
- ヘッドガスケット
- オイルパンパッキン(液体パッキンです)
- タペットカバー パッキン
- タペットカバー シールワッシャ
- タペットカバー カムシャフトシール
- オイルデリバリーパイプ オイルシール
この他に以下のパーツも交換してしまうのがおすすめです。
- EXマニホールド ガスケット(本来は再利用不可)
- EXアウトレット ガスケット(本来は再利用不可)
- タイミングベルト オートテンショナーベアリング
- ヘッドボルト(本来は再利用不可)
- EXマニホールド ナット(腐食がすごいのでスタッドボルトも交換する方が良い場合も)
まず、オイルと冷却水を抜きます。
補器類、フロントパイプ、タービンを外します。この時ラジエターを傷つけな
いようにダンボールなどをあてて保護したほうが良いです。
エンジンを下ろせるならここで下ろす所ですが、青空駐車場なのでこのまま作
業します。(雨が降らない事を祈りつつ・・・)
タペットカバー、インマニ、エキマニを外します。エンジンを載せたままだと
インマニのステーのボルト(写真中央のボルト3本)が外しにくいです。車体の裏
側から手を突っ込んで何とか外しました。
タイミングベルト、ヘッドを外します。
ヘッドガスケッとはリムーバーなどを使って除去して下さい。この時ウォーター
ジャケットにカスが入らないように注意します。
オイルパンを外します。ドライブシャフトが邪魔になりますが、うまくかわせ
るはずです。
エンジンブロックのオイルパンのすぐ脇には、刻印があります。これでシリン
ダーがオーバーサイズになっているかどうかわかります。
コンロッドのナットを外したら、メタルのアタリをチェックしてみます。
ピストンを外す時にシリンダー内などに傷をつけないようにボルトにはゴムチュー
ブなどをかぶせておきます。
燃焼室にスラッジがあると抜けにくい場合がありますが、この状態でピストン
をハンマーの柄などで押し上げればピストンが抜けるはずです。
コンロッドは同じ気筒に同じ向きで組まないとアタリがおかしくなるので、マー
キングをしておきます。コンロッドの結束部分に鋭利な物でナンバリングするの
が良いようです。
第3気筒
一番奇麗な状態。メタルに若干傷がありますが浅いものです。
シリンダーの傷は一番深く、爪で引っかくと引っかかる程度。このくらいの傷
がついていたらボーリングしてしまう場合もあるそうです。
この気筒は棚落ちしていました。
棚落ちしたピストン。
完全に割れてしまっていますが、逃げ場がないため即ブローしたりする事はあ
りません。それにしても2気筒も抜けていてほとんど不調が無いなんて、やっぱ
り頑丈なエンジンです。
大体2段目が割れるそうです。このピストンは鍛造と鋳造を組み合わせて作ら
れており、2段目は鍛造と鋳造のつなぎ目になっているので、ウィークポイント
だったようです。エボ4以降はピストンリングの間隔やワンピース化などの対策
が施されています。
ホーニング用の工具を安く売っていたので、ホーニングをしてみる事にした。
オイルジェットは干渉するので外しておく
クランクシャフトは軽く研磨して小傷を消しておきます。
研磨剤とひもを使います。ひもは1周以上巻き付けないと楕円になってしまう
ので注意です。
ホーニングはあまりやるとボアが大きくなってしまうので、傷が浅くなる程度
とした。
奇麗なクロスハッチを作るのは至難の技です。適当な所で良しとした。
コンロッドとピストンを組みます。
ピストンの圧入はうちでは出来ないので
鈴木商改
へお願いした。
ピストンリングは専用工具もありますが、無くても手の力で組む事が出来まし
た。
後はばらした時と逆の手順で組むだけ。トルクの決まっている所はトルクレン
チを使い規定トルクで組み付けます。ヘッドボルトは角度締めつけなので注意。
はじめの始動時は、油膜が切れている可能性があるので、プラグを外しておい
てクランキングしてあげた方が良いでしょう。
オーバーホール後サーキット走行なども行なっていますがノントラブルです。
(2003/9/8現在)
今度壊れたらエボ6のピストンでボアアップ&フルフロー加工と思っていますが、
しばらく先になりそうです。