ランエボのミッションをオーバーホールする

CE9AランサーRSのミッションをオーバーホールする。
ミッションの形式はW5M33で、ギャランなども同一の手順でオーバーホールで きると思われます。
用意した部品は次のとおり。
開けてみた所以下の部品も状態が悪いので交換した。シンクロがダメになって すぐにオーバーホールしていれば・・・(泣)
ドライブシャフト ミッションオイル、トランスファのオイルを抜きます。
作業がしやすいように補器類をはずします。
プロペラシャフトを外します。
ドライブシャフトは右だけ抜ければ良いので、右フロントのブレーキ、ナック ルを外します。ブレーキキャリパーはサスに縛っておきます。私の車は足まわり を換装しているので、ロアアームを外すだけでドライブシャフトを抜く事ができ ました。
インパクトレンチがない場合はあらかじめハブボルトは緩めておく必要があり ます。
エンジンを支える エンジンを支えておき、ミッションマウントを外します。
後でエンジンを傾ける必要があるので、高さは調整できる方が良いです。パン タジャッキが適当だと思います。
油圧ジャッキを使ってミッションを下ろします。この時エンジンも少し下げて 全体に斜めにします。さらに、まっすぐ引き抜いても干渉して抜けないので矢印 の方向に回しながら抜きます。この時セレクトレバーでラジエターホースを傷つ けないよう注意して下さい。
リヤカバーを外す ミッションを下ろしリヤカバーを外します。
ロックナットを外します。インパクトレンチがない場合は、木辺などをギアに はさんで回り止めをすれば良いと思います。15Kgmで締めつけられているので結 構硬いと思います。
画面中央がインプットシャフトで、真鍮のリングがリバースギアのシンクロナイ ザーリングです。ロックナッを外すと、5速-リバースシンクロナイザ、5速ギア が外れます。
リバースギアはシンクロのみでギア本体はトランスミッションケースの中にあり ます。
インプットシャフトの隣が、インタメジエートギアになります。このロックナッ トも外します。
ビスカスカップリング スナップリングで止まっているビスカスカップリング、5速シフトフォークも 外します。後でスナップリングはいくつか外しますが、厚みがいくつかあるので、 どこに使われていたか控えておきます。 シフトレールの脇についている3本のボルトも外しておきます。中にスチール ボールとスプリングが入っているので注意して下さい。
ケースアダプタ トランスミッションケースを外します。
シフトフォーク ポンチを使ってシフトフォークのピンを抜きとります。
シフトレールを矢印のように回転させインプットシャフトとインタメジエート ギアを一緒に抜きとります。
ギア テーパーベアリングやニードルベアリングのスリーブは圧入されているので、 プレスを使って抜きとります。このあたりの作業はSSTが用意されていますが、 治具を工夫すれば何とかなると思います。
各ギアおよびシンクロを交換します。
ギアは表裏がありますので間違えないようにします。
magnet ミッションケースの矢印の部分にマグネットが入っているので取り出して清掃 しておきます。
あまり大きな破片があるようなら、どこかギアが欠けている証拠です。
私のはたいそう汚れていた事は言うまでもありません。
各パーツは洗浄しておきます。写真のものも心無しか奇麗になっているのがわ かるかと思います。
各部のオイルシールを交換します。インパクトのコマなどを利用して打ち込み ます。
ギア挿入 リバースアイドラギア取り付け インプットシャフトとメンタメジヤートギアを一緒に挿入します。 シフトフォークを取り付け、ピンを打ち込みます。 リバースアイドラギアを取り付けます。シャフトはミッションケースにネジ止 めされますので、ネジ穴の向きに注意してください。
ケース取り付け カバー取り付け 液体パッキンを塗ってミッションケースを取り付けます。オイルガイドという 樹脂製のパーツが貫通するので位置に注意してください。ボルトは3.9Kgmで締め 付けます。 シフトレールの脇のスチールボールを取り付けます。このボルトにもオイルシー ルを塗って規定トルクで締めつけます。 カバーをとりつけます。
ビスカスカップリング取り付け 完成 センターシャフトを取り付けます。
ビスカスカップリングを取り付けます。この時センターシャフトの溝にスチー ルボールが確実に入っていないとビスカスカップリングが奥まで入りません。
写真のように置いて組み立てている場合はセンターシャフトが地面に着かないよ うに少し浮かせてやらないといけません。
また、内と外のスプラインがずれている場合も入りません。 インプットシャフトの回り止めなどをしておきビスカスカップリングを回転さ せると楽に入ります。
スナップリングは開いてしまっている場合があるので、あらかじめプライヤー などで修正しておきます。(本来は再利用不可です)
5速シンクロナイザを取り付けます。取り付け方向に注意して下さい。
ロックナットを取り付けます。締め付けトルクは15Kgmです。
カバーを取り付けます。ウェーブスプリングを忘れないようにします。
ボルトの締め付けトルクは3.9Kgmです。
ミッションを載せる セレクトレバーを操作し、シフトが問題なく入ることを確認しておきます。
レリーズホークの支点とレリーズベアリングの内側にグリスを塗っておきます。 降ろした時と逆の手順でミッションを車体に載せます。
一度に奥までは入りませんのでエンジンとミッションの高さを調整しながら取 り付けできるボルトから軽く取り付けておきます。
ミッションを載せる時に左側のドライブシャフトの先を挿入しておきます。
メンバーとマウントを取り付けた後、トランスファを取り付けます。
試運転
シフトフィーリングがカチッとした感じに戻りました。もちろんギアなりもあ りません。