燃圧は標準で3.0気圧(インマニに対する差圧)であるが、ブースト圧を上げていくと純正の燃料ポンプではフルブースト時に燃圧が2.5気圧程度に低下することが確認できた。これは、純正の燃料ポンプでは吐出量が不足するためで、全開時に燃調が薄くなりエンジンを壊す可能性がある。ブーストアップを行う際は一度フルブースト時の燃圧を測定してみることをお勧めする。
ハーネスは、燃料ポンプの配線のみ交換するのは至難の業なので、既存の電源でリレーを操作し、バッテリーから直に燃料ポンプへ電源を供給することにする。
車種によっては燃料ポンプの寿命を延ばすためアイドル時に抵抗を入れるなどの回路になっているものもあるそうだが、CE9Aはそういった回路にはなっていないため、回路変更は極めてシンプルである。
燃料ポンプへのアクセスはリアシート下のハッチから行うことができる。燃料パイプを外すためには、ホースのねじれを逃がすため、あらかじめ右リヤのタイやハウス付近にあるジョイント部を外しておく必要がある。
接続部にはアルミニウム製のフレアナットが使われており、フレアナットレンチが必要。しかも、固着していると良質な工具を使わないとなめてしまう。
作業スペースも狭いし、加熱したりもできない個所であり、今回の作業の最大の難所と言えるでしょう。壊してしまうとハッチごと交換しなくなりますので、注意してください。
実際私も手持ちのアストロプロダクツ製のレンチでは緩めることができず、KTC製のフレアナットレンチを追加購入してトライしたところ緩めることができました。
オープンエンド部が狭く、開かないように補強されているのが大きな違いでしょうか。
燃料タンクから外に出ているコネクタは6極となっており、ノッチを右側に見て右下が+、右上が-となっています。配線の太さで大体わかりますが、心配な場合は燃料ポンプ側の配線を外してテスターで確認するとよいでしょう。 本来は、圧着端子まで太めの配線で一気につなぐのが良いのですが、この手のコネクターは入手が困難なので、途中で切断してつなぎ直すことにしました。 配線やリレーは15A以上流せるものを使用します。通常は7-8A程度しか流れていませんが、加圧時は一時的に10A以上流れるようで、はじめ10Aヒューズを使用したところ切れてしまいました。配線は電圧降下を減らす意味で太いに越したことはないですが、あまり太いと配線の接続がやりにくいのでそこそこで。
交換後は、アイドル時の燃圧が360KPa程度、負圧の場合はさらに高い燃圧に上がってしまいました。
本来、燃圧が上がりすぎないよう、燃圧レギュレーターによって余分な燃料をリターンさせていますが、この能力よりも燃料ポンプの吐出量が上回ってしまったためと考えられます。
ある程度スロットルを開けている状態(燃料が消費されている状態)から全開までの間は約300KPaで安定するようになりました。
アイドリング時の燃圧を下げるためには、燃圧レギュレーターの交換が必要と思われますが、特にアイドル不調などもないので、良しとしました。(多少アイドリング時の燃調が濃くなっているかもしれませんが)
エンブレ時はそもそも燃料が出ていないので、燃圧が高くても燃調に問題はないですが、ポンプへの負荷が心配なら電圧を調整してやるとベターでしょう。
ハーネスの引き直しか、燃料ポンプ交換のどちらか一方の対策で十分だったのかもしれません。あるいは、リレーを廃してトランジスタやFETで制御する方法でも行けましたね。
GTRや社外のの燃料ポンプなどに交換する方もいますが、ブーストアップ程度のであれば、そこまでする必要はなさそうですね。