水温が高い原因を調べる

致命的な問題ではないが、しばらく前より水温が高い状態になっているということで、入庫した時に少しづつ調査を進めている。
エンジンブロックの温度を下げすぎると、燃費が悪くなるので、最近の車だと100℃位に調整されていると思うが、ギャランは80℃位をうろうろしているのが普通で、100℃を超えるような場合は、さらにFANが高速回転するのだそうだ。
整備書を見せてもらったところ、ラジエターFANとコンデンサーFANそれぞれにHi/Lowの設定があり、水温やエアコンの状態の組み合わせで複雑な制御が行われていることが分かった。
現代であれば、マイコンで簡単に制御できるだろうが、ECUを使わずにこんな複雑な制御をしているのには驚いた。というか、こんな面倒な仕組みにする必要あったんだろうか

電気配線図
電気配線図

回路がわからないと話にならないので、まずは電気配線図をみてみる。
次ページに続く(GY)1,(GY)2の線には、ACユニットから+12Vが供給されている。ACユニット側の制御は割愛するが、ACユニット側の判断で、ラジエターFANのLow側、コンデンサーFANのLow側ををそれぞれ制御している。重要なのは、ここではLowでしか回さないという点で、水温を閾値を超えたら下げる制御ではない。
症状としては、100℃になるとFANは回っているということなので、85℃での制御に問題があると考えられる。
右下の「水温スイッチ」が110℃でHiとなるので、これは動作していると思われる。「圧力スイッチ」は圧が高いので恐らく冷媒の話なので関係なさそう。つまり、黄色と赤でマーカーを入れたいずれかの回路が怪しい。

サーモセンサのテスト
サーモセンサのテスト

ラジエターFANは単体でHi/Lowとも回転することは過日確認済み。別件でラジエターを交換しており、「サーモセンサ」も一緒に済みだが症状変わらず。
中古とはいえ、両方壊れている可能性は低いが、手元に取り外したサーモセンサがあるのでテストしてみた。
動作温度が85℃なので、湯せんにかけてON/OFFする温度を計測した。結果、86.6℃でON、82.2℃でOFFとなった。所定の温度からは少しずれているものの、これなら問題なさそうだ。

単体部品取り付け図
単体部品取り付け図
リレー
リレー

次に、ラジエターファンモーターリレーをチェックしてみる。
それぞれのリレーはどこにあるかというと、左図のとおり、2000ccの場合、コアサポートの内側にコンデンサFAN用が、ヒューズBOX内にラジエターFAN用がそれぞれ取り付けられている。