タコメーターをDI対応に改造

ダイレクトイグニッション化した際に、何も考えずに標準のイグナイターを外してしまったが、イグナイターからの信号でタコメーターを動作させるようになっているため、動作しなくなってしまった。今回はこれを直したいと思います。

標準の動作

GI- デスビ仕様

SW20のタコメーターはイグニッションコイルの逆起電力を利用しており、イグナイターのEXT端子、ダイアグノーシスコネクタのIG-という端子と、イグニッションコイルの-端子が接続されており、ここに抵抗を介してタコメーターが接続されています。

通常、IG-にはイグニッションコイルの逆起電力が出力されており、友人に計測させてもらったところ、実測では80Vp-p近い電圧のパルスが出力されていることがわかりました。

12Vp-pパルスでのテスト

GI- フルトラ仕様

まずは、12VにPull upしておきマイナスパルスを入れれば動くだろうと推測し、12VにPull upしておき点火信号でGNDに落す回路を作成して接続しました。
図のような入力波形となりましたが、全く動作する気配がありません。他のトヨタ車は12Vp-pのパルスで動作したという報告がネットで散見されたので、恐らくフルトラの車種は12Vp-pなのではないかと思いますが、デスビ仕様の場合は、かなり高い電圧のパルスが必要なようです。

所定の出力を得るためには、コイルを繋ぐか、昇圧して電圧高い電源を用意するしかありませんが、ノイズ元は増えるし、電気は喰うし、デメリットしか無いような気がするので避けたいところです。

メーター駆動回路

タコメーター制御基板

そこまでやるなら、メーター側に手をいれてしまった方が良いだろう。ということで、タコメーターAssyの制御基板を外してみました。ちなみに、ニードルを抜いて指示盤を外さなくても、裏の4箇所のかしめを起せば、基板だけ外る構造になっています。

制御基板には、汎用チップではなく、DENSO製のSE094というICが載っていました。データシートは見付からなかったですが、F-V変換ICで、ローパスフィルターなどの機能を備えたICのようです。違う車種でも同じICを使っている車種が結構あるようで、基板は同じで、回路定数を変えることで対応しているようでした。

回路図

回路図は次のようになっており、R1を変更することで入力パルスの感度を調整しています。R6-7でフルスケール電圧の調整をしていると思われます。

入力抵抗の変更

Voltage vs Resistance

さて、R1の値ですが、取り外して入力抵抗を変更しながらオシレーターの信号を入力して試しました。得られた結果をグラフにしたものが左図で、ほぼリニアになっていることがわかります、ここから、抵抗値を計算するための計算式を導くと
Vin = 0.3R1+1.27
となります。ここで出る電圧は下限値なので、10%程度小さい抵抗を選択すると良いでしょう。デューティー比は20-95%なら問題ありませんでした。

タコメーターはIGFで動作させようと思っていましたが、実測したところ、メーター側では3.58V程度しかなかったため、最終的に、R1=7.0kΩ程度が理想でしたが、手元にある6.8kΩを用い、閾値は実測で3.38Vとなった。