切り取りに先立ち、新しいスクリーンは両面をメンディングテープで保護します。
そのうえから、純正のスクリーンか、スペーサーを型どりし、メンデイングテープ上に写し取ります。
これにあわせて糸鋸やPカッターなどで切り取ります。ダンボールなどで挟んで万力に固定すると作業性が良いです。最後はやすりで仕上げて完成です。
実際には、純正の形を忠実に写し取る必要は無く、完成品の写真にあるような形で十分です。
テープをはがす前にボディに納めてみて、干渉なく奥まで入ることを確認しておきましょう。
ちなみに、ツルツルに見える面が手前側になります。こちらが像を結ぶ面ですので、傷をつけないよう特に注意してください。
左右の切り欠きは本来は若干幅が異なりますが、同じにしてしまっても遊びが多くなるだけで、取り付け時に真ん中でとめれば差し支えは無いです。
テープをはがしたら、中性洗剤で洗って流水で流し、エアで水分を飛ばせば完成です。
綿棒などを用いアルコールで拭く方法も試しましたが、デブリが出るので洗う方が良いです。
ここで、単に組み込んだだけではスクリーンの厚みが異なりますから、ピントが合わず、スペーサーの厚みを変えて調整を繰り返す必要があります。最初に厚すぎるとダメといったのはこのためです。薄い分にはスペーサーで調整できるわけです。
スペーサーの厚みは、次の式で求められます。
純正スクリーンの厚み + 純正スペーサーの厚み - 新しいスクリーンの厚み
ノギスなどで測れば、0.1mm程度の誤差で求めることが出来るはずです。大抵の場合は、これで十分ピントが適正な範囲に入ります。調整が不十分な場合は、AFとMFでのピントのズレや撮影した画像をみながら厚みを調整します。
さて、D30とFM3A用のスクリーンの組み合わせの場合はというと、0.1mmほどFM3A用のほうが厚く、使えないかと思いましたが、なんと無調整(スペーサー無し)で問題なく使えました。
一番面倒な調整が不要ということで、このスクリーンは非常にお勧めといえますね。
FM3A K3 Screenを組み込んだD30のファインダーの画像です。ピントの山の取り易さは画像ではわかりにくいですが、マット部のボケ方が急峻になっており、CANON純正よりは改善しています。また、ファインダーの見た目が、実際の映像に近くなったのは良いですね。
マイクロスプリットプリズムの効果は絶大で、ピントの山を探すことなく、合った瞬間にピタッととめることが出来るので、使っていて楽しくなります。
強いて言えば、中心部分を切り出しているためマイクロスプリットプリズムが相対的に大きく、小さな被写体を撮影する場合には邪魔になるかもしれません。
FM3AにはB3スクリーンという全面マットのものがあるので、これと交換しながら使おうかと思っています。